本庄の家
~本庄の家~
道路で子供たちが楽しそうに遊んでいる。そこに散歩中のお年寄りが子供たちに声をかける。年々減ってきている光景が、あたりまえにある地域にこの住宅はある。
山々も近く、よく風の抜ける場所。
施主家族は明るくどこか自由さのにじみでる家族であり、この住宅でもそんな人間的な自由度を感じる空間を作りたいと考えた。
料理をつくるだけの場所をつくる。このルールを基盤に名前のない場所を点在させた。引き渡しの頃には、最初に話していた家具配置とは全く違う配置計画となった。
空間を決め込んだ作りにしない事で生まれる自由度が、施主家族らしい住宅となった。
現場でも常に空間は変化していき、引き渡した後も住みこなされる中で、家はまた大きく育っていく。そのようなことを想像しながら、一つ一つの場所を考え続けて、この家は出来た。
想像でしかなかった建物が、ひとつの家族の大切なものになる。これからの長い時間をこの家とともに楽しく過ごしていってほしいと思っている。