浦崎の家
『浦崎の家』
5分も歩けば緩やかな瀬戸の海が見える場所。
耳を澄ませば小鳥のさえずりが聞こえてくる。
「静けさ」と言う言葉が似あう小さく物語のある家が完成しました。
この住宅は、ご主人様の何気ない会話から始まった住まいです。
「新しい家で妻の髪を切ってあげたくて・・・」と
よくよく聞くとご主人様のお仕事が美容師さんとの事でした。
土間には、一つの椅子と手鏡が添えられる。
そこは、奥様だけの美容室が存在する場所。
静かな空間に、シャキシャキとはさみの音だけが呼応する。
冬になると、薪ストーブに灯を入れる。
炎がゆらゆらと波の様に揺れ動き、パチパチと音が聞こえてくる。
二つの音が重なり、共鳴し合う時、時間を忘れてしまう。
物語からスタートした建築。
そんな素敵な家が完成しました。