HOUSE S
「HOUSE S」
30棟程の団地の一角。
南側には隣家があり敷地に光が入りにくく、
決して良いとは言えない環境でした。
ただこの土地は、北側に田畑と山々が広がり視界が抜け、
気持ちのよい空気が流れ、これからゆっくりと暮らすには最適と感じました。
玄関を入るとすぐに薪ストーブのある土間と
リビング、ダイニングが仕切りなくひとつの空間を作り出し、
床材のマテリアルでONとOFFの境界が緩やかに交差しながら
特徴的な勾配がつけられた木天井とともに、
あたたかさの中にある凛とした美しさを感じられます。
隣家がある南の光は、ハイサイドライトを利用する事で
視界を外しながら光を入れる工夫をし、
またこの敷地の特徴とも言える北側の山々を望むため、
ダイニングと庭に設けたアウトドアリビングとを繋げる
w3600もの全開口ができる窓を設けました。
アウトドアリビングには容易に焚火や食事ができるよう堀ベンチを造作し、
薪ストーブのあるLDKとともに電気化した現代において
自然の摂理を感じることができ、この場所でにぎやかに火を囲んだり、
時にはふたりでグラスを傾けたりとゆったりとした静かな時間が流れます。
kitokitoのコンセプトでもある“暮らしに寄り添い、耳を傾け”
施主さんの暮らしや想いを聞きながら、
またひとつ、想いの詰まった素敵な家が完成しました。